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オアシス からのお知らせ

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14/8月/2020

ある患者様のご家族から、「最近、食事の飲み込みがしづらくなり、車いすの姿勢も崩れがひどくなってきている。」と相談を受けました。

食事時の際の飲み込みと座る姿勢はどのように関連しているのでしょうか?

食べ物を食べて飲みこむ機能を「嚥下機能」と医療者は表現します。この嚥下機能の弱化や障害の問題は様々あげられます。脳卒中で、嚥下反射が起こる元となる中枢部が障害されると食べ物や唾液が気道に入りそうになった時に防御的に咳をして吐き出す機能が障害され、誤嚥性肺炎が起こり、重症化するとそれが原因で命を落とす方もいらっしゃいます。加齢による口腔内の感覚低下が起こり、食べ物が送り込まれた感覚が低下すると嚥下反射が遅延し、嚥下に必要な筋力の低下が加わわり、誤嚥性肺炎を起こす方もいらっしゃいます。では、嚥下機能と姿勢の関係性とはどんなことでしょうか?

 

この嚥下反射という食物を食道に送る動きも大事ですが、口の中で、食物をまとめ咽頭まで送り込む動きを歯や舌、頬の動きが協調的に働いて行っています。この歯がついている下顎と頭蓋骨つなぐ顎関節につく筋や表情を作る表情筋、頭部を支えている頸部の筋、舌を構成している筋が滑らかに動く必要があります。この重要な筋は頸椎や鎖骨、胸郭、肩甲骨につながっているため、姿勢の影響を受けてしまいます。脳卒中で片側が弱くなったり、重力に抗して姿勢が保持できなくなると脳は様々な代償を利用して姿勢を保とうと姿勢をゆがめてしまいます。その結果、頭部を横に傾けたり、あごをつき出すような姿勢となり、頸部周囲の筋のアンバランスが起こります。

例えば、背中を丸め下顎を前に突き出すような姿勢で唾を飲み込むとどうでしょうか?体が横に傾いて、どちらかに首を傾ける姿勢になるとさらに飲み込みに努力が必要になります。では、普段食べるときに頭部とあごはどのような位置にありますか?

頭部は垂直にあり、口唇は地面に対して水平に保っていませんか?つばを飲み込むとき、飲み込む瞬間、口唇が閉じ、舌先が上あごに触れ、頭部と頸椎をつなぐ関節が動き、わずかにうなづくような動きが起こります。その時、頸部の前面の喉ぼとけの近くにある、舌骨が上方に動きます。舌骨は舌の筋がついている部分になります。この舌骨が上方に十分動く必要があります。

筋のつながりを見ても、座る姿勢に全身がかかわっているように、嚥下機能にも全身の状態が関わってきています。リハビリでは飲み込みに問題がある方に対して、様々な職種が協力し、頭部が空間でどのように保てるのか?下顎にはどのような自由性があるか?舌がスムーズに動き、嚥下反射がスムーズに連続して起こるか?目は左右・上下に動き、周りをよく探索できる自由性はあるか? 肩や骨盤の傾きは、どのように手足の影響を受けているか?手と口唇部で食べ物を迎える動作はどうか?食物の柔らかさ、粘性ははどうか?などを観察し、問題を探していきます。

 

 安定して座るために、寝ている姿勢やそこから起き上がる動作、立ち上がって、立つ姿勢、様々姿勢の安定が必要になります。姿勢から姿勢の連続性が運動となります。この姿勢の連続性をセラピストは観察して、全身の関連性をみて運動の問題を探していきます。座っている姿勢をただ、整えただけでは嚥下機能の改善につながりません。そのために、全身がどのようにかかわって、動きを作っているか?脳の中で「何かしよう」と思った時、どのように動きを作り出しているのか?脳が無意識的に選んでいる部位と部位の関係性をセラピストは想像し、手で感覚していきます。セラピストは見たこと、感じたこと、自分の経験、治療の経験、知識を総合してその人の問題を創造し、動きの変化を作り出す可能性を探していきます。ボバース概念の治療では、中枢神経系の潜在能力を探し、顕在化していくことを追求していきます。どのような重症な患者さんでも、長く経過した患者さんでも中枢神経系の変化は可能性を秘めています。

習慣化された気にも留めない動作や食物が口の中に入って送り込むまでの歯や舌、頬、頸部の動きを改めて観察すると何か発見があるかもしれないですね。


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08/8月/2020

 

Photo by Karolina Grabowska from Pexels
Photo by Karolina Grabowska from Pexels

「ずいぶんいつもと違う、、違和感がありますね」

リハビリ後にそう答えられる方がいます。私は「それは、いい感じですか? 嫌な感じですか?」と質問すると「悪い感じではないですけど、違うんです」 続けて私は「それはいいですね? 脳がいつもと違うということを感じているということですね。違いを感じるのはとても、いいことなので、その違いをゆっくり楽しんでください。」

いつもと感じ方と違うとはどういうことか?

私たちは、動くことを通して重力と支持する面の変化をとらえ、体の部位と部位の関係性を無意識的に知覚し、現時点の置かれている環境に適応して、物事を達成するように神経システムがいつも調整しています。無意識の中で自分の今の身体の状況や環境を脳はモニタリングし、自分の中にあるより効率の良い運動の組み合わせを使いながら日常生活がスムーズに行えるようにしています。

そのことは、時々不都合なことも起こすこともあります。例えば、麻痺などで使いにくい場所は使わずに、動ける場所だけで物事をこなそうとするとどうでしょうか? そのことが、日常化して、早く対応する部位だけを過剰に使うことになったら、、使いにくい場所は使わず、使用しやすい部分はオーバーワークしてしまい、、使わないところは脳の中でも、身体の中でないものとして扱われてしまったら。動かない身体の部位の参加は見られなくなり、筋肉はやせ、関節は動かないことで硬くなり、その部位が動かされたりすると、痛みやしびれなどの違う感覚の情報や侵害刺激のような感覚として脳の中で処理されてしまうことが起こります。

脳の回復はどのようにして起こるのか?脳科学研究の中で脳の障害が起こり、その後、発症以前の動きができなくとなる、動くためにその環境に適応して違う脳内のネットワークを使用することになります。動きが変化するときに神経のつながり、配線を変えること、脳内のネットワークを変化させることがサルの研究などで示されています。

脳の中のさまざまな場所には身体を動かすための部位(体位部局在、脳の中のホムンクルス)があり、その部位を使用するか?しないかで変化が起こることが言われています。例えば視覚に障害がある方は、視覚を処理する部位は別の感覚の処理に関与するように変化することが言われています。視覚の障害がある方は、健常者からは、まるで見えているかのように歩いている方がいますが、脳の中で聴覚や触覚、嗅覚、筋や関節などの情報の固有受容感覚は通常とは違う統合を行い、ネットワークを作り出していることが考えられます。

神経リハビリテーションは、この脳の中のネットワーク、配線を変えることによって動かしにくい部位が動作の中に参加し、体全体がその役割を分配しながら、その場の環境に適応して、課題を達成することを促していくことになります。そのために、部位と部位の関係性を動くことによって感じ、最終的には麻痺があり動きに参加しにくい部分も思わず参加してしまった、、ということを期待していきます。その時に、自分だけではチャレンジしにくいところをセラピストの手や不安がなくチャレンジしやすい環境をお手伝いしたりするのがセラピストの役割になっていきます。

違和感、、、とは脳の中でいつもと違うと感じる。違いを感じられるということは、とても素晴らしいことです。自分の動きを変化させる一歩となります。例えば足のつく感じが違う、、その歩くときの違う感覚を感じて、、左右の足の違いを感じながら、、いつもと違う足を着くときに、その上の膝や付け根や背中、視線にも何か違いを感じるか? 好奇心をもって楽しむ。そのことが動きを変化し、その違う足がいつの間にか、普段の足の感覚となり、運動自体を変化していきます。動きをかえ、動きにくい部分を動作に参加する一歩となります。それは、よりスムーズで効率的な動きへ導き、さまざまな環境に適応していくことにつながります。

普段、私たちは、様々な事柄を同時に行いながら仕事や日常を過ごしています。努力なしに、よりスムーズに効率的に動くことは、話をしながら歩いたり、2品・3品の調理を同時に進めたりという普段の動作につながる一歩となっていきます。

違和感、、がいい感じに、心地いい感じへ、そして新鮮で、懐かしい感覚へ。


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