「どこが失敗しているかがわかるようになってきたし、、私の感覚では1/2パク 遅れる感じ!」 音楽的な表現で、運動の遅れを表現してくれている方から、、人から教わることの大きさを感じる瞬間!音楽に長く関わってきている方なら、納得の表現なのかもしれません。フェルンデクライスでは差に気づくことから、運動の学習がスタートすると言われる。できる、できないという大きな差から、わずかな違い、どこから違ったのかの差を見つける。動作をスムーズにすることや環境に適応するためには何が必要なんだろうか?
私たちの脳には様々な感覚情報がいつも押し寄せていますが、脊髄内や脳幹や視床などの神経の分岐点で感覚情報を調節させ、必要な感覚情報が選別させていきます。すべての感覚情報が選別されないまま処理されてしまうと脳は混乱してしまい、行動を選択できなくなる。なので動きを行う前に、すでに必要な感覚情報を選択して、調整をかける機能を持っています。このような機能があるので、人混みの中で、知り合いの声を聴き分けて、人を探したり、その時、必要な行動のために必要な感覚情報に強弱をつけて入力されるようになっているし、必要に応じて別の感覚情報にスポットライトを当てるように切り替え、環境に適応した行動ができるようになります。リハビリの中では動作のある部分を注意したり、ある部位と他の部位の関係性を探索することを使って、脳が先に必要な感覚情報を選別する際の強弱に影響を与えて、本人の動きの選別、タイミング、筋収縮の強弱などを本人とともに、今現在の運動は合格?まあまあ?全然違うモノなのか?をジャッジしながら進めていく。動きが起こってから、、慌てて、ダメと修正は難しい。このジャッジが「共にできる、共感する」、患者さんとセラピストの共同作業となり、運動学習への道しるべになっていきます。すべてがセラピスト任せでも、運動の再学習は難しいということになります。リハビリテーションは一方的には成立せず、患者さんの目標とセラピストのガイドによって一つの動作の学習から様々な動作への影響し、行動の変化への可能性を秘めています。様々な部位からの情報が調整され、必要な情報が強調され、その運動感覚に集中でき、患者さんが自分自身の間違いに気づく。気づきがあってそこから違う動きへの探索が始まる。ではタイミングが合わないとは神経系ではどのようなことが起こっているのでしょうか?
スポーツを行っていても、、例えば、ボールを足で蹴る、経験的に、ここで足をどれぐらい、後方に引いて、体をどれぐらいねじって、その足が、前方へ動くスピードがどれぐらいで、いつボールに足が当たるか?経験があると予測ができます。この予測できるということも、小児期から失敗と成功の経験があるのでボールの中心に足のあたる感じ、そしてボールをどこに飛ばせるか?方向も予測できるようになっています。いいタイミングで動けるために、失敗も必要で、どんな失敗なのか?また、思い描く目標がないと失敗もわからないということもにもなります。どれぐらい明確に目標となる動作を思い描くことができる?イメージできるか?スポーツのトレーニングの中にはイメージトレーニングの効果が示されていますが、リハビリテーションにも、同じように必要となります。
「1/2拍遅れる感じ、、タイミングが遅れる。必要な時に、バシッと合わない」
神経リハビリテーションは、脳内のネットワークを再構築することで運動の再学習を促していきます。運動を切りかえて、違う動きになるとは、神経のつながりに変えないと動きが変わらない。普段使い慣れていない神経の伝達は電気信号が流れにくくなっていたり、脊髄まで電気信号が送られ、筋肉まで伝わっても筋の状態が変化しすぎてしまうと必要な筋収縮とならずに弱いと感じたり、筋の短さが問題になり関節がしっかり動かないなど、、問題も起こってきます。様々な問題の連続が運動のタイミングのズレに繋がります。